那覇 みずの資料館「みずプラッサ」
那覇市上下水道局の管理する「みずの資料館・みずプラッサ」。あまり知られていないスポットのような気がするが結構おもしろい。よく考えたら上下水道の仕組みってよくわかってない自分がいて勉強になる。水道って…いつから整備されだしたの?昔は飲み水は井戸だったり、沖縄だと「ガー」と呼ばれる湧き水だったりしたはずだけど、いつから水道になったの?水脈から水を引いてきたものは「樋川(ヒージャー)」と呼ばれ、水道に近いけど現代とはまるで仕組みが違うと思うんだけど…。…そんな疑問が「へー、なるほど!」に変わります。
那覇新都心「天久りうぼう楽市」や「コープあっぷるタウン」が立ち並ぶ那覇中環状線沿いの「サンエー那覇メインプレイス」斜め向かいにある「那覇市上下水道局」に入っていく。
駐車場を抜け、沖縄で一番高い建物「リュークス・ツインタワー」の手前に那覇市上下水道局の庁舎。
庁舎の愛称は「みずプラッサ」。
みずプラッサに入り、こんなご時世(コロナウィルス)なので検温をして、係の人に
「みずの資料館に行きたいんですけど通っていいですか」
と聞いたら、
「外から回ってください」
って通り抜けを断られるっていう…。
「みずプラッサ」と「ろうきん」の間に建つこの琉球石灰岩を積み上げたような小さな建物が「みずの資料館」。
「ろうきん」のある建物っていうより…「Kenny’s(レストラン)」の方が目立つな…。
まあ、ろうきんの脇を抜けると、
さすが上下水道局、建物の上から水があふれてる。これも噴水って言うの?
やっと「みずの資料館」の文字。
那覇市上下水道局「みずの資料館・みずプラッサ」
ここの入り口から入ればいいのね…。
入場無料。
というより「自由にご見学ください」となっている。
「みずの資料館」はこの入り口から入って左右2つの部屋に分かれる。
ヒストリールート
建物の中に入って右手にある「ヒストリールート」の部屋に入る。
反対側の左手のドアは「ウォータールート」と呼ばれる。
那覇市の上下水道の歴史年表が壁にズラリと書かれている。
那覇市 上水道 排水系統・施設図。
「配水池」と呼ばれる消毒済みの浄水を溜めておく施設の場所や「ポンプ場」の場所の地図。
水道の蛇口をひねれば簡単に使える上水だけど、30万人を超える那覇の人口を支えるんだから、やっぱりこのくらいの施設は必要だろうな…。
パソコンも設置されていていろいろ知る事ができるんだろうけど、この日は起動されていなかった。
…勝手に起動していいものなのか…。
まあいいや。
「ヒストリールート」はここで終了。
サッと通り過ぎるなら10秒足らずで通り過ぎれる距離。
ここではじめの疑問は解消。
1929(昭和4年)上下水道布設認可される。
1932(昭和7年)泊浄水場の建設工事着工。
1933(昭和8年)各戸へ給水を開始。
…着工から給水までがメッチャ早いな…。
1935(昭和10年)下水道事業に着手。昭和13年末までに約15Kmの下水管が布設されたが、戦争により施設が破壊され本格的な共用には至らず。
1944(昭和19年)米軍の空襲により全施設破壊され、給水不能となる。
1945(昭和20年)泊浄水場、米軍に占領される。
やはり戦争の勝者はまず水源確保するよね…。
1951(昭和26年)簡易水道工事に着手。
1954(昭和29年)泊浄水場が米国民政府から正式に返還。水道事業が復活。
まともな水道整備から2020時点でまだ65年しか経ってないんだね…。
この写真のように水場から桶で生活水を運んでいた時代ってそんなに昔じゃない。
ヒストリールートの部屋を出て、向かいのウォータールートの部屋に…。
ウォータールート
「ウォータールート」の部屋に入る。
水の惑星・地球。
地球の水の量や世界の水問題についての話や、一人一日最低限50キロリットルの生活用水が必要な事とか、日本人は一人当たりおよそ320リットルの生活用水を使っている事とか…。
…まあ、今ではよく知られているけど、世界には「きれいな水」が手に入らない国もあったりするよね…。
沖縄の海はプランクトンが少ないからエメラルドグリーンに見えるのか…。
サンゴ礁のしくみ。
…ん~、まあ知ってたな。
このモニターの前のスペースは「ウォーターサロン」と呼ばれている。
大雨で下水に大量の水が流れ込んでもマンホールが外れない理由。
最近もあったな…。マンホールから水があふれ出てるニュース。
でも確かに日本では「マンホールが外れた」って話はあまり聞かない。
トイレの水使用量。
大レバー:12~13リットル。
小レバー:6~8リットル。
5人家族で一人一日2回使うと120リットル。
お風呂の水使用量。
浴槽を使う場合:180リットル。
シャワーの場合:60リットル。
5人家族で一人一日1回シャワーに入ると300リットル。
30日で9,000リットル。
…こんなに水を使って、水道代10,000円程度って考えると、日本って本当に水に恵まれてるよね。
反対から部屋を眺めるとこんな感じ。
ヒストリールート側の外壁。
こっちは建物の裏側に当たるからか水は出ていない。
那覇市上下水道局「みずの資料館」。
観光スポットとしてはあまり知られてないかもしれないけど、無料だし結構面白そうでしょ。