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那覇 – 琉球八社 波上宮

那覇 琉球八社 波上宮

日本の「神社本庁」と呼ばれる全国8万社を包括する組織の下、沖縄には「沖縄県神社庁」が包括する神社が10社あり、その中でも琉球王国からの加護を受けた社を「琉球八社」と呼び、波上宮はその中でも琉球王国時代からの総鎮守であり現在でも沖縄総鎮守と位置付けられている。例年だと約15万人が初詣に訪れ、多くの屋台も賑わいを見せる。また地元では「ナンミー」の愛称で親しまれている。ちなみに京都の「伏見稲荷大社」は神社本庁に属さない単立神社となっている。


 

通りに面した「波上宮一ノ鳥居」。

波上宮は那覇市唯一の海水浴場である「波の上ビーチ」や「護国寺」、石碑の集まる「旭ヶ丘公園」に隣接していて、また近隣には「天尊廟(孔子廟)」や「対馬丸記念館」もあるので、波上宮自体が目的じゃなくてもたまたま訪れた事があるという人も少なくないと思う。

※「天尊廟(孔子廟)」は令和3年2月24日の最高裁判決以降、一部建物が撤去されている。

 

「波上宮一ノ鳥居」の右隣には真言宗の「護国寺」。

琉球八社」は全て寺院に神社が併置されている。

この点においては内地の「神社は神道、寺院は仏教」というのと沖縄のそれは違いがある。

 

大晦日なので屋台も準備を始めている。

 

初詣以外で波上宮に来ることはあまりないのでお宮さんが日頃何をやっているのかはあまり知らないが、当然一年の節目節目でいろいろな神事を執り行っているんだね。

 

波上宮一ノ鳥居をくぐって二ノ鳥居に向かって階段を上る。

 

波上宮二ノ鳥居の左手に「参集殿(さんしゅうでん)」。

参拝者用の休憩所。もちろんトイレも利用できる。

 

波上宮二ノ鳥居。

 

「二ノ鳥居」をくぐると参道の先に御本殿が見える。

 

「古神札納所」。

去年以前に買ったお守りやお札を返納する場所。

 

参拝の前に口や手を清める「手水舎(ちょうずや)」。

 

今年はコロナウィルスの影響で手水舎は蓋がされている。

 

明治100周年を記念して1970年に建てられた「明治天皇銅像」。

台座にある「国家」の字は明治天皇の直筆。

 

本殿で参拝をする。

ここも今年はしっかりソーシャルディスタンス用の線が引かれている。

 

「二礼二拍手一礼」。

 

本殿の中。

まだ新年を迎えてないからお賽銭はこちらではなく、本殿前のお賽銭箱へ。

例年だとこの白いシーツの中にお金がわさっと入ってるんだよね。

 

本殿でお参りをしてから右手に進み、絵馬とお守りを買うため授与所の列に並ぶ。

 

社務所の中。

沖縄の神社を包括する「沖縄県神社庁」も波上宮内に設置されてます。

沖縄は全国で断トツで神社の数が少なく、政府の統計ポータル「e-stat」2020-12-22時点のレポートによると「16社」となっていて、沖縄県の次に神社の少ない和歌山県でも「447社」なのでその少なさは群を抜いています。

参考までに神社が最も多い県は新潟県で「4,689社」。…沖縄の約300倍。

参照:政府統計ポータルサイト「e-Stat」宗教統計調査

 

沖縄は1879年「琉球処分」によって琉球王国が解体され日本に組み込まれて「沖縄県」となっています(1872年~琉球藩)。

では、沖縄と近い形で形式上15世紀から松前藩があったとはいえ、明治維新前後まで圧倒的に「アイヌ民族の島」だった北海道(1869年北海道に名称固定)はというと「795社」。

なんで神社が増えなかったかははっきりしませんが、寺院の数も88院と沖縄は断トツに少ないです。

 

今まで意識したことがなかったから知らなかったけど「神棚」ってこういう価格帯だったんだ…。

 

 



琉球王朝の官社である琉球八社はそれぞれが寺院に併置され、琉球政府より「神職の役俸」と「社殿の営繕費」を支給されていて、その管理をしていた役所が首里城の広福門の西側の建物にあった「寺社座」。

しかし、琉球処分(廃藩置県)以降、当時の日本の法律に照らし合わせ波上宮以外が「無格社」となり、神社と寺院は別物ねと「神仏分離」され、また国からの収入がなくなったため、ほとんどの神社が困窮、荒廃した。

また第二次世界大戦の地上戦、沖縄戦で、ほとんどの神社が壊滅的に破壊されている。

…というところまでまとめたうえで、

それぞれの神社について、オフィシャルホームページや那覇市データベース、沖縄県神社庁、Wikipediaなどから調べ少し整理してみて創建の年代順に並べてみると、

波上宮
併置した寺院:護国寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1368年
創建者:初代中山王 察度王(推測)
住所:那覇市若狭1-25-11

沖宮
併置した寺院:臨海寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1451年
創建者:
住所:那覇市奥武山町44

末吉宮
併置した寺院:遍照寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1450~1457年
創建者:第1尚氏 第6代国王 尚泰久
住所:那覇市首里末吉町1-8

普天満宮
併置した寺院:神宮寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1459年
創建者:第1尚氏 第6代国王 尚泰久
住所:宜野湾市普天間1-27-10

安里八幡宮
併置した寺院:神徳寺
御祭神:八幡神
創建時期:1466年
創建者:第1尚氏 第7代国王 尚徳王
住所:那覇市安里3-19-14

天久宮
併置した寺院:聖現寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1465~1487年
創建者:
住所:那覇市泊3-19-3

金武宮
併置した寺院:金武観音寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1527~1555年
創建者:日秀上人(推測)
住所:国頭郡金武町金武222

識名宮
併置した寺院:神応寺
御祭神:熊野権現
創建時期:1556~1572年
創建者:第2尚氏 第5代国王 尚元王
住所:那覇市繁多川4-1-43

なかなか分かってない事も多いようで…。

 

お守り・絵馬・御札などを販売する「授与所」。

 

絵馬に願いを書いて本殿右前の「絵馬掛所(えまかけどころ)」に絵馬を掛ける。

2日後に次女の同級生から「お前の絵馬目立つ~。」ってLINEが入る当たり、やっぱ狭いよね。

 

御神籤だけの「授与所」。

例年お正月三が日はこの窓口が全ておみくじ売場になり行列が続く。

 

眼下には波の上ビーチ。

屋台の準備も進んでいるようだ。

 

御神籤を結んでお参り終了。

2021年もよい年でありますように。

 

孔子廟(久米至聖廟)

「至聖門」。

 

1392年に明の洪武帝より琉球王国に派遣された技術集団を「久米三十六姓」と呼び、彼らによって1676年に建立されたとされる儒教の祭典のための施設。その名の通り儒教の始祖である孔子および「四配」と呼ばれる四人の聖賢(東に顔子・子思、西に曽子・孟子)を祀っていた。

中国から派遣された造船、航海、建設などの技術者の多くは福建省出身の福建人や客家だったことから「閩人三十六姓」と呼ばれることもある。

 

「天尊廟」。

琉球王国時代に建てられた孔子廟だが、2020年現在、憲法上の政教分離の問題などいろいろあって四配の廟は取り壊されている。

琉球王国時代、大日本帝国併合、戦後現代と移り変わってきたんだから宗教に関する考え方も…。

…まあ変わるよな…。

 

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