ブリスベンからシドニーへの一人旅

ブリスベンからシドニーへの一人旅

ブリスベンからシドニーへの車での一人旅

ブリスベンからシドニーへの一人旅。オーストラリア入国以来、必ず誰か年上の日本人がいて自分で判断をすることも、英語をしゃべる必要もない日々が続いていた。しかしブリスベンに住み始めて2ヶ月も経った頃には、僕より先に来ていたお兄様お姉さま達はみんなフラットを出てオーストラリア一周に挑戦したり、シドニーやケアンズへと移り住み、気が付いたら僕がこのフラットでは一番の古株になっていた。この頃には自前の車も持っていて、新しく入ってくるフラットメイトはあいかわらず年上ばかりだったが、オーストラリアに来たばかりの人が多く、僕はブリスベンに詳しい頼れる弟分という存在になっていた。そんな生活も楽しくはあったが、しばらくすると僕も新しい試みがしたいと思うようになり、とりあえず僕も先輩たちを真似てブリスベンのフラットを飛び出し車でシドニーに向け南下する事に決めた。


オーストラリアに来て以来、日本人フラットに転がり込んだので英語を喋る機会はあまりなかったが、テレビやラジオはもちろん英語だったし、部屋を一歩外に出れば看板も会話も英語しかないし、皿洗いのバイトでも英語しかコミュニケーション手段がない訳で受け身一方ながら英語漬けにはなっていた。

 

1985~86年前後のオーストラリアのヒットチャートを見てみると…

List of top 25 singles for 1985 in Australia.

Mental As Anything「Live it Up」
Madonna「Crazy for You」
Eurythmics「Would I Lie to You?」
Dire Straits「Money For Nothing」
Foreigner「I Want To Know What Love Is」
Models「Out of Sight Out of Mind」
Murray Head「One Night In Bangkok」
Katrina and the Waves「Walking on Sunshine」

チャートには入っていないけど、よく聞いていた曲、
Charlie Sexton「Beat’s So Lonely」

 

List of top 25 singles for 1986 in Australia.

Billy Ocean「When the Going Gets Tough, the Tough Get Going」
Diana Ross「Chain Reaction」
Bananarama「Venus」
Berlin「Take My Breath Away」
Huey Lewis And The News「Stuck With You」
John Farnham「You’re the Voice」
Lionel Richie「Dancing On The Ceiling」
The Communards「Don’t Leave Me This Way」
Bronski Beat「Hit That Perfect Beat」
Whitney Houston「How Will I Know」
Prince & the Revolution「Kiss」

 

テレビやラジオがメインのメディアの時代なので、このあたりの曲は相当ヘビーローテーションでかかっていた。

この辺の曲の歌詞から覚えた英語の言い回しも少なくない。

 

こんな風に英語の大量インプットをしただけの状態でフラットのメンバーに別れを告げブリスベンを後にした。

 

オーストラリア クイーンズランド パームビーチ

ブリスベンからサーファーズ・パラダイス(Surfers Paradise)に向かいパームビーチ(Palm Beach)を通ってさらに南下する。地図もなかったので道路標識を頼りにゴールドコーストハイウェイをひたすら南下した。

 

ゴールドコーストハイウェイを南下

オーストラリア クイーンズランド州とニューサウス・ウェールズ州の州境

州境を越えニューサウス・ウェールズ州(NSW)に入り、

 

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州の小さな町

パシフィックハイウェイをただ走る。何もない雑木林が続いたと思ったら突如小さな町が現れたりするのを繰り返し、夜の街も通り過ぎる。

 

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州 車内泊

運転に疲れ眠くなったら道路わきに空き地を探し車を停めシートを倒して寝る。

目が覚めたらまた車を走らせる。

 

パシフィックハイウェイでエンジントラブル

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州 パシフィックハイウェイでエンジントラブル

道脇にヒッチハイカーはちょくちょく見つけたが、危険な目に合う事もあるので 乗せるのは少し躊躇していた。

 

しかしずっと一人でラジオを聞きながら単調に車を走らせていると少し人恋しくなってきたので、 ヒッチハイカーを一人拾ってみた。カナダ人の男性だった。

だが彼にも僕にも運の悪い事にカナディアンの彼を乗せてしばらくしたら車が止まってしまった。

 

バンパーを空けてあちこち見てみるが、何が悪いのかさっぱりわからない。 エンジンもかからない。

 

ヒッチの彼には悪いが他の車を探してもらう事にし、僕は一人動かない車を 抱えて足止めをされることになった。

 

数時間、途方に暮れて何もできずに過ごして、何気にセルを回してみたら、 思いがけなくエンジンがかかった。

車はさっぱり詳しくないので何が起きたのか全くわからないままだったが、 とりあえず車を先に進める事にした。

 

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州 パシフィックハイウェイ「ビック・バナナ(Big banana)」

噂に聞いていたビック・バナナ(Big banana)

 

…あまり… でかくないね… …見過ごしそうだね…

 

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州 パシフィックハイウェイの脇の広場

ブリスベンからシドニーまではパシフィック・ハイウェイ(Pacific Hwy)を通って約950km。 いい車でちょっと飛ばせば10数時間で着く距離だが、そこは壊れかけのオンボロなので、休み休み進め、僕も観光半分なので気になる場所があれば車を停めての旅になった。

 

二度目の朝を車で迎えバケットをかじり、また南下を始める。

 

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州 パシフィックハイウェイ沿いの小さな町

地図を持っていないのでこういう交差点があると、

「えっ、なんて町だろう? ちょっと寄ってみようかな。」

と思うのだが、結局ほとんどの町はスルーして南下を続けた。

 

オールド・シドニー・タウン

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州「オールド・シドニー・タウン」

パシフィックハイウェイを走っていて見つけた「オールド・シドニー・タウン」。

18世紀後半から19世紀初頭にかけてのシドニー建国当時の町を再現したテーマパーク兼野外博物館。

やはりここは入っとくでしょ。

 

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州「オールド・シドニー・タウン」

オーストラリア ニューサウス・ウェールズ州「オールド・シドニー・タウン」

「オールド・シドニー・タウン」は1975年にオープンした施設だが、2003年にテーマパークとしては閉鎖していて、その後は映画のロケなどに使われているようだ。

[参照] Old sydney town – Wikipedia

 

オーストラリア シドニーに到着

オーストラリア シドニーのストリート・ビュー

ニューキャッスル(Newcastle)を過ぎたところでもうシドニーが近い事に安心感を覚えた。

そして数時間後にはシドニーに辿り着いていた。

オーストラリアにきてはじめて一人で3日間を過ごした。マーケットで買い物もしたし、ヒッチハイクも乗せた。レストランで食事もしたし…。

 

…気が付いたら… 

 

恐ろしく英語を喋っていた…。

 

オーストラリアの約2ヶ月の間でいつの間にか英語が頭に入っていたようだ。

それも片言というよりマシンガンのように英語で喋っている自分がいた…。

 

ニューキャッスル(オーストラリア)地図