福岡 – 博多ポートタワー
博多ポートタワー。1964年に竣工した高さ100mのタワーで、地上70mにある展望室からは博多湾や福岡の市街地などの360度のパノラマを楽しむ事ができる。夜になると時期折々に合わせた綺麗なライトアップが行なわれる。2019年には保全のために、改修工事に入り2022年3月8日には工事が完了しリニューアルオープンしている。博多港ベイサイドミュージアムと共に入場無料。展望室の上の階には「博多ポートラジオ」と呼ばれる施設が入っていて、タワーの上から博多湾の様子を監視し、無線を使って港を出入りする船と連絡を取り、港の安全を守っていて「海の管制塔」などとも呼ばれている。
中洲川端駅で地下鉄を降り、ここから約20分かけて博多川・那珂川沿いを北上し、徒歩で博多ポートタワーを目指す。
広い昭和通りに面するホテルオオクラ福岡の裏側にある神社「鏡天満宮」。
高層ビルの中にポツンと純和風低層の神社ってすごいギャップ。
中洲の北端を過ぎ、交差点を渡ると、左手に大きな施設が見えてきた。
「BOAT RACE 福岡」と呼ばれる競艇場のようだ。
高速道路の下の通路を抜けると…。
博多ふ頭、そして博多ポートタワーが目に飛び込んできた。
博多ふ頭って、周りの埠頭に比べてコンパクトサイズなんだけど、温泉、タワー展望台、「アイズスポーツパークベイサイド」というフットサルコート、公園、複合施設などがあって、一般の人がきて楽しめるエリアになっている。
もちろんここから船に乗って近隣の離島にも行ける。
「みなと温泉 波葉の湯」という施設の隣に…。
博多ポートタワー・博多港ベイサイドミュージアム。
■開館時間
10:00~17:00(入場は16時40分まで)
■休館日
毎週水曜日(水曜日が休日の場合は、翌平日)
年末年始(12月29日~1月3日)
■入館料
無料
■TEL
博多ポートタワー TEL:092-291-0573
博多港ベイサイドミュージアム TEL:092-282-5811
博多港ベイサイドミュージアム
入口から中に入るとまず「博多港ベイサイドミュージアム」。
コンテナクレーン。
コンテナ船って、コンテナをこれでもかってくらい山積みにしてるのを見て、いったいどうやって積んだんだ? クレーン車で降ろせるのか? とか思ってたんだけど、去年、このコンテナクレーンのお仕事を知って疑問が解決した。
沖縄では港の近くに住んでるので、よく見てたはずなんだけど、人間って意識しない物の事は分からないもんだね。
コンテナクレーンは、ガントリクレーン、キークレーン、橋形クレーンなどとも呼ばれ、1時間であのでかい、トラックに一つしか乗らないコンテナを30~40個も積み下ろしできる。
クレーンの操縦席は高さ40~50mの所にあって、そこからクレーンゲームの要領でコンテナを運ぶんだけど…。
…恐怖! この仕事、僕、絶対無理。
ストラドルキャリアのタイヤ。
ストラドルキャリアとはコンテナヤードでコンテナを運搬する特殊車両で、金属製の棚にタイヤが付いた感じのもの。
…こっちも… こわい…。
博多港ベイサイドミュージアムはワンフロアでそんなに広くない。
ミュージアム=博物館なんで、こういった昔の船の模型なんかも展示されている。
博多港全図。
博多ふ頭って本当にちっちゃい。
博多港開港~現在。
1899年に博多港は正式に国際貿易港として始まったんだね。
1990年、特定重要港に指定されている。
博多ポートタワー
博多港ベイサイドミュージアムを抜けて、博多ポートタワーに入る。
「人が物が文化が渡る、海の都・博多2000年の歴史。」
水田耕作の道具や金属製品の発掘で、弥生時代にはすでに中国との交流があり、博多湾の出口にあたる「志賀島」で後漢・光武帝から送られた金印が発見され、中国の史書「後漢書 東夷伝 倭人条」には「建武中元二年、倭奴国、貢を奉り、光武、賜うに印綬を以ってす」とその金印が送られた時期を裏付ける記録があり…。
本当に…。日本の国際交流の一番最初の入り口だった博多湾はすごい歴史が残っている。
エレベーターに乗って展望室に上がる。
途中で止まる階はない。直通。
エレベーターの扉の上の方に、1999年に博多国際貿易港の開港を記念して作られたキャラクター「ポートくん」のプロフィールが描かれている。
地上70mの展望室に入る。
博多港引揚記念碑「那の津往還」。
向かいの中央ふ頭に設置されたアーティスティックな記念碑。
第二次世界大戦終結後、中国や朝鮮半島から引き揚げてくる約139万人の日本人を受け入れ、そして約50万人の人々を中国や朝鮮に送り返した。
…そうなんだ…。
ちなみに記念碑は「永久の平和」を願って建設されている。
博多湾のエリアの紹介。
ちなみに対岸の中央ふ頭からは、ジェットフェリーで韓国の釜山(プサン)に行く事もできる。
でっかいクルーズ船も入港してる。
この博多ポートタワーを設計したのは「内藤 多仲(ないとう たちゅう)」さんという方で、「耐震構造の父」とか「塔博士」と呼ばれ、溶接学会会長、日本建築学会長、日本地震工学振興会会長などを歴任した建築界の超重鎮だった人物。
彼は東京タワーや2代目通天閣も設計したことで知られていて、第二次世界大戦後の1950年代から1960年代にかけて多くのタワーを建て、その代表的なものは「内藤多仲タワー六兄弟」と呼ばれている。
それらを竣工順に挙げると、
名古屋テレビ塔
通天閣(2代目)
別府タワー
さっぽろテレビ塔
東京タワー
博多ポートタワー
となっていて、博多ポートタワーは「タワー六兄弟の末っ子」とも呼ばれる。
博多湾には玄界島、志賀島、能古島、宝島などの島々があり、湾の東側は多くの埠頭が造られていて人工的というか機械的な感じなんだけど、湾の西側は小田浜海岸、福岡市うみづり公園、大原海水浴場、長浜海岸、今津海岸、今宿海岸、マリナタウン海浜公園など自然を上手く利用している。
「BOAT RACE 福岡」、レースの様子もここからだと丸見えだね。
ここまで書いてなんなんだけど、実は僕は高所恐怖症のきらいがあり、窓まで近付くのはかなり勇気が必要だった。
半歩づつ…、いや、靴一足分づつ窓側に進んで、約30秒ほどかけて窓付近まで行って…。
この時、展望室には20名近く人がいたと思うんだけど、たぶん何人かは僕の様子に気付いてたな(汗)。
歳取るごとに、高所恐怖症の傾向が強くなってて困る。